第五章 赦しの声
夜明け前の東京は、まるで誰かの息を潜めたように静かだった。
ビルの谷間に薄い霧が漂い、街灯がその中にぼんやりと沈んでいる。
杉本はホテルの窓から外を見つめながら、母の残したノートを手にしていた。
そのページには、震える文字でただ一行――
「神は、私を赦してくれるだろうか」と書かれていた。
その文字を見たとき、彼の中で何かが崩れた。
母は、救われたのではなかった。
“赦されたい”と願いながら、沈黙の中で祈り続けていたのだ。
そしてその祈りは、誰にも届かぬまま終わったのかもしれない。
数日後、杉本は明子からの連絡を受けた。
《少し話があります。危険かもしれません。》
その言葉に、彼の胸は重く沈んだ。
明子が何かを決意しているのは明らかだった。
「危険」と書く彼女の声の裏には、恐れと覚悟が入り混じっていた。
午後、二人は郊外の古い喫茶店で落ち合った。
外は雨が降り続き、窓ガラスを打つ雨粒がリズムを刻んでいる。
明子は、両手で温かいコーヒーカップを握りしめながら言った。
「杉本さん……私、教団を辞めようと思います。」
その声は小さかったが、揺るぎがなかった。
「でも、辞める人を“裏切り者”と呼んで、他の信者たちは近づかなくなる。
彼らにとって“神を裏切る”ことは、家族を失うより重い罪なんです。」
杉本は何も言わなかった。
言葉を選ぶよりも、ただ彼女の表情を見つめた。
雨の雫がガラス越しに流れ落ち、彼女の頬の涙と重なって見えた。
「……母も、同じだったのかもしれません。」
杉本の声は、雨音にかき消されそうなほど静かだった。
「最後まで信じて、でも、信じきれなくて。それでも祈っていた。」
明子は目を伏せた。
「私、あの人の気持ち、少し分かる気がします。
信仰って、誰かにすがることじゃなくて、自分の罪を見つめることなのかも。
でも、それが怖いんです。神に向かうより、自分に向き合う方が。」
その言葉に、杉本は微かに頷いた。
それは遠藤周作が幾度も描いた、人間の「弱さ」そのものだった。
神の不在よりも、自分の罪に耐えられない人間の心。
そこにこそ“信仰の苦悩”がある。
その夜、杉本のスマホが震えた。
着信は「非通知」。
通話ボタンを押すと、低い声が響いた。
「あなた、教団の者を取材しているそうですね。」
沈黙が続いた。
「……あなたの安全のためにも、これ以上関わらない方がいい。」
その声は冷たく、機械的だった。
杉本が何かを言う前に、電話は切れた。
胸の奥がざわめいた。
恐怖というよりも、奇妙な確信があった。
――母も、こうして“沈黙”の中に脅かされていたのかもしれない。
窓の外では、まだ雨が降っていた。
夜の闇が深まるほどに、街の灯が滲み、
どこかで祈りの声のようなものが聞こえた気がした。
翌朝、杉本は明子のアパートを訪ねた。
ドアの前には靴が一足置かれ、ポストには手紙が一通差し込まれていた。
差出人は――明子。
封を切ると、中には短い手紙が入っていた。
> 杉本さんへ
> あなたに出会えて、自分の信仰が本当は何だったのかを知りました。
> 私は神を信じていたつもりで、恐怖を信じていたのだと思います。
> でも今は、沈黙の中にも“光”があると信じられます。
> ありがとう。――明子
杉本は、手紙を握りしめた。
そこには、絶望の影ではなく、微かな救いの匂いがあった。
それは“神の声”ではなく、“人の声”だった。
人が人を赦すことでしか、救いは始まらない。
そんな遠藤的な祈りが、紙の上に確かに宿っていた。
その週の夜、杉本は母の墓を訪れた。
郊外の小さな墓地。
冬の夜風が木々を揺らし、葉の擦れる音が祈りのように響いていた。
墓前には、母が愛した白いカーネーションを供えた。
「母さん……」
その言葉の後が続かなかった。
彼は長い間、何も言えずに立ち尽くした。
やがて、ふと空を見上げた。
雲間からわずかに月が顔を出していた。
その光は冷たく、それでいて柔らかかった。
「母さん……俺はまだ、あなたを赦せていない。
でも、あなたが祈った“神”を少しだけ分かる気がする。」
言葉にした瞬間、胸の奥で何かがほどけた。
それは怒りでも悲しみでもなく、
長い間閉ざされていた“沈黙への理解”だった。
その帰り道、杉本は一軒の教会の前を通りかかった。
古びた木の扉の向こうから、静かな讃美歌が流れてくる。
彼は立ち止まり、扉の前に立った。
歌声は柔らかく、まるで誰かが「おかえり」と囁いているようだった。
彼は扉を開け、中に入った。
薄暗い礼拝堂の中、十数人の人々が静かに祈っている。
その中に――明子の姿があった。
涙を流しながらも、穏やかな表情で祈る彼女。
杉本は、その姿を見て微笑んだ。
“神を信じる”ことよりも、“人を赦す”ことの方が、
ずっと難しく、そして尊いのだと彼は悟った。
その夜、杉本は久しぶりに夢を見た。
夢の中で、母が笑っていた。
白い光の中で、両手を合わせ、静かに祈っていた。
そして、ふとこちらを向き、優しく言った。
――「匠海、あなたも誰かのために祈りなさい。」
目が覚めたとき、外は夜明けだった。
東の空に、淡い光が滲みはじめている。
杉本は窓を開け、冷たい朝の空気を吸い込んだ。
胸の奥に、言葉にならない静かな確信があった。
沈黙の中にも、祈りはある。
それは誰かに届かなくても、
人が人であるための、最後の灯なのだ。
第六章 告白の記

夜明け前の空は、薄い灰色の膜を張ったように重たかった。
杉本は机に向かい、ノートパソコンの画面と、母の古いノートとを交互に見つめた。
画面には、書いては消し、消しては書き直した見出しの残骸が散らばっている。
〈沈黙の祈りをひらく――元信徒と現役が向き合った夜〉
〈献金は愛か、恐れか〉
〈信仰の名で、何が買われ、何が失われたのか〉
どの言葉も、誰かを傷つける気がした。
だが沈黙もまた、誰かを傷つけるのではないか――その思いが、背中を押した。
深呼吸をして、母のノートをもう一度開く。
「神は私を赦してくださるだろうか」
震える文字。
赦しを求める者の声は、ときに加害と被害の境を曖昧にする。
それでも、赦しを願う声に耳を塞いだとき、人は自分自身から遠ざかるのだ、と杉本は思った。
彼は、指をホームポジションに置いた。
――書こう。
“暴く”ためではなく、“ひらく”ために。
初めの一段落を打ち込む。
〈この文章に、勝者は登場しない。救われた者も、責められる者も、みな同じ円の中に座っていた。言葉のかわりに三分の沈黙が置かれ、そこに人の呼吸だけがあった夜。そこで私は、祈りの形を見た〉
書き出しは、過去ではなく“場”から始めることにした。
告発より、記録。
断罪より、関係。
それでも、財布の軽さを“信仰の証”と呼ばせた仕組みは、書かなければならない。
小野寺の部屋で見た名簿、封筒、金額。
「数字は祈りの大きさではない」と言いながら、数字で褒賞が与えられること。
ここで筆が止まる。
指先が、母の筆跡をなぞりにいく。
彼女が願ったのは、救いであって、従順ではなかった。
――その差を、私は記事のどこに置けばいい。
しばらくして、父の古い写真立てが目に入った。
酔った夜の笑顔。
母はその笑顔の隣で、どこか遠いところを見ていた。
ふたりの間にあった距離に、宗教が入り込んだのだろう。
宗教は、空洞に忍び寄る。
だが、空洞の存在そのものを犯罪と書くことは、誰の救いにもならない。
彼はもう一度、書き始めた。
〈“任意”という言葉は便利だ。だが“任意”が“当然”に変わるとき、人は沈黙する。沈黙は心の自由を守るための殻だが、同時に殻は内側から人を窒息させもする。献金の封筒は、信頼の証であると同時に、恐れの受け皿だった〉
文章が、ようやく温度を持ち始めた。
北見から届いていたメモをめくる。
“中の人間の目線を、外側の言葉に移し替えないこと”。
書くべきは、立場ではなく体温。
彼は、対話会の円を一つひとつ思い出した。
匿名の男性――“意味のある人間でありたかった”。
年配の女性――“居場所を買っていたのかもしれない”。
石坂の宣言――“返さない時間を、否定とは呼ばない”。
そして、掲示板に並んだ短い文。
〈愛という語を軽く使わない〉
〈沈黙は余白〉
あの白紙の、針で刺したような言葉たち。
そのとき、スマホが震えた。
北見からの短いメッセージ。
〈今日、出す。震えるけど、出す〉
文末に、手を合わせた絵文字。
杉本は、胸の奥に小さな火がともるのを感じた。
――誰かが出す。私も出す。
責任を共有することでしか、誰の重さも軽くならない。
彼は一気に書き上げ、最後の行に指を置いた。
〈赦しは祈りの始まりではない。終わりでもない。沈黙の中で、呼吸の回数だけ繰り返される運動だ。私たちが誰かを赦し、また赦されないまま、生き延びるための〉
保存ボタンを押した瞬間、胸の奥でかすかな音がした。
昔、母の部屋の戸棚の鍵が鳴ったときの、あの金属音に似ていた。
***
記事は夕刻に公開された。
紙面とウェブの同時。
見出しは編集部で整えられ、杉本の初稿よりも少しだけ硬い言葉になっていた。
〈沈黙をひらく――“任意献金”と“祈り”のあいだ〉
最初の数時間は、静かだった。
やがて、コメントが流れ始めた。
“救われた側の言葉を初めて読んだ”
“甘い。被害の具体が足りない”
“宗教に頼る弱さを責めるな”
“弱さの上に建てられた仕組みを赦すな”
賛同と反発が、紙面の下でぶつかる。
声は強いものばかりではない。
震える字のメールも届いた。
“母が同じでした。私も許せずにいます”
北見から電話が来た。
「無事、出た。反響は荒い。でも、荒れは“動き”だと思う」
声は疲れていたが、どこか明るかった。
「石坂さんから掲示板の写真が来た。記事を読んだ人たちの紙が増えてる。『自分の読み方』を書いて貼ってるらしい」
“読み方”が掲示される。
それは、正解ではなく、姿勢の共有だ。
――場は、言葉の持ち主を増やすことで、暴力から遠ざかる。
杉本はそう直感した。
だがその夜、別の電話も鳴った。
非通知。
沈んだ男の声が、濁った水のようにしみ出してくる。
「きみは、神を侮辱した」
「侮辱していない。言葉の置き場所を変えただけだ」
「言葉の置き場所? 神の名の上に言葉を置けると思うのか」
杉本は黙った。
相手は続けた。
「明子は、きみと会ってから迷っている。きみが責任を取れるのか」
答えるべき言葉を、喉が拒んだ。
“責任”。
書くことの責任は、いつも書き終えた後にやってくる。
通話はそこで切れた。
窓の外は冷え、ガラスに指を当てると、自分の体温だけがはっきり伝わる。
体温は、言葉より正確だ。
杉本は少しのあいだ、ガラスに触れていた。
***
翌日、石坂から対話会の案内が届いた。
「記事の“読み方”を持ち寄る会」
“意見”ではなく“読み方”。
この違いが、どれほど場を救うか、杉本は知っていた。
彼は会場へ向かう電車の中で、母のノートを開いた。
“読み方”。
母は、聖句をどう読んだのだろう。
許しを得るために読んだのか。
それとも、許せない自分を抱えるために読んだのか。
会場では、すでに円が出来ていた。
壁には掲示板。
白紙に、短い文字たち。
〈“任意”は、恐れの反対語ではない〉
〈献金を否定しない。でも、恐れを混ぜない〉
〈“神様が見ている”を人間の監視にしない〉
言葉の温度は、さまざまだった。
怒りも、願いも、ため息も、短い行に折り畳まれている。
石坂が小さく会釈した。
「今日は“読み方”の輪郭だけ、置いていきます。正さない、論破しない。自分の呼吸に合う速度で」
砂時計が裏返される。
静寂が落ちる。
静寂には重さがある。
最初の一分は、過去の声が耳を叩く。
次の一分で、自分の鼓動が音楽になる。
三分目に、沈黙は誰のものでもなくなる。
中年の男性が口をひらいた。
「記事の言葉に救われた、と言いたい。けれど、救われたと言ってしまったら、“傷つけられた自分”が遠のく気もする。両方の手触りを、どう持っていればいいか、わからない」
石坂がうなずく。
「両手に違う温度の石を載せて、落とさない練習を、今ここで」
若い女性が続ける。
「私は、母を恨んでいます。お金を渡したから。だけど母は、私を捨てたんじゃなくて、“神に預けた”と思ってる。そんな母を、今朝は少しだけ抱きしめたいと思った」
沈黙。
抱きしめたい、という動詞が、円の中を静かに歩く。
そのとき、入口側で小さなざわめきが起きた。
明子が、入ってきたのだ。
マフラーの端が濡れている。
彼女は会釈し、空いている椅子に座った。
しばらくして、目を上げる。
「私は、記事を読んで、怖くなりました。名前が出ていないのに、私のことが全部見透かされている気がして。でも同時に、楽にもなりました。私は、神を恐れていたんじゃなくて、人を恐れていたんだって」
彼女は息を整え、続けた。
「信仰を持ちたいです。けれど今は、“恐れないで人と話す”ことから始めたい」
誰も拍手はしなかった。
でも、円の空気がわずかに温かくなった。
温かさは、音のない拍手だと杉本は思う。
会の終わり、石坂が小箱を差し出した。
白紙と安全ピン。
「今日の自分へ一言。掲示板に宿題として」
杉本は、白紙に短く書いた。
〈赦しは、約束ではない。毎朝の仕事〉
ピンの先が指に触れ、鈍い痛みが走る。
この痛みは、現実の証拠だ。
母のノートを見つめたまま、抽象の海に浮かぶことをやめる。
退出する人の波が途切れたころ、明子が近づいた。
「記事、読みました。……ありがとう」
「ありがとうは、こちらが言う言葉です」
「怒られました。上の人からも、昔の仲間からも。でも、“聞いてくれる人”がいる場所のことを、今日、初めて説明できた気がします」
彼女の目の下には薄い影があったが、視線は揺れなかった。
「私、働き方を変えようと思う。広報じゃなくて、地域の相談窓口に。献金のことも、家族のことも、まず人の言葉で受け取る仕事に」
杉本は黙って頷いた。
言葉は、置き場所を変えると、別の意味をまとい始める。
“受け取る”という言葉が、今日ほど美しく響いたことはなかった。
***
数日後、北見の新聞に第二弾が出た。
〈“読み方”を掲示する――信仰と社会の間で〉
記事は、賛否の声をそのまま並べただけのようにも見えた。
だが並び方は意味を持つ。
反発と共感が、互いを噛み合わないまま隣り合っている紙面を見て、杉本は安堵した。
噛み合わないことを可視化することも、記者の仕事なのだと、いまさらのように気づく。
夜、ポストに封筒が届いた。差出人はなかった。
中には、コピーされた献金封筒の束と、一枚の便せん。
〈あなたは誰の味方なのか。私たちの献身は、そんなに醜いですか。――“数字”は、私の祈りの回数でした〉
インクがにじんで、最後の行は読めなかった。
杉本は、便せんを机に置いた。
――味方。
立ち位置を訊く声に、彼は答えを持たない。
記事は、味方の旗ではなく、風の通り道でありたい。
風が通ったあと、埃も痛みも混ざった空気を吸い込み、それでも人が呼吸を続けられるように。
明子からも、短いメッセージが届いた。
〈やめました。窓口のボランティア、始めます。怖いけど、来週の対話会で話します〉
怖い、という語が、添えられていることが大事だと杉本は思った。
恐れを抱えたまま話す人の声は、強がる声より、遠くまで届く。
***
週末、杉本は母の墓に向かう前に、小さな教会に寄った。
古い木の扉、磨かれた真鍮の取っ手、ろうそくの匂い。
讃美歌が、淡く満ちている。
信仰の言葉は、時に人を傷つける刃にもなるが、音としてはやはり美しい、と彼は思った。
美しさが罪である、とは書けない。
罪にするのは、使い方だ。
礼拝堂の隅で、ひざまずく人の背中が見えた。
明子だった。
彼女は席に戻り、小さな紙片を取り出して祈りの本に挟んだ。
杉本は、あとで声をかけようと思ったが、やめた。
祈る姿は、人に見せるためのものではない。
彼は静かに立ち上がり、教会の外に出た。
外には、冬の日射しが斜めに落ちていた。
川沿いの風は冷たく、けれど頬に痛いほどではない。
彼はポケットから白い紙片を取り出した。
掲示板に留めた“宿題”の控え。
〈赦しは、約束ではない。毎朝の仕事〉
声に出してみる。
風が、その言葉の端をさらっていく。
その軽さが、少し可笑しかった。
墓地は静かだった。
カーネーションを置き、手袋を外して指を合わせる。
「母さん。記事を書いたよ。あなたのためでも、誰かを責めるためでもなく。読み方を増やすために」
言葉にしてみると、嘘くさくも聞こえる。
それでも、言葉は声帯を震わせ、冷えた空気の中に出ていく。
声が形を持つだけで、何かが少し変わるのだ、と彼は思った。
帰り道、踏切が鳴った。
電車がゆっくり通り過ぎる。
窓の向こうに、人の横顔が過ぎていく。
誰もこちらを見ない。
それが、少し嬉しかった。
匿名のまま動く生活の列。
祈りは、固有名詞の外でも静かに続く。
夜、机に戻ると、北見から原稿の依頼が届いていた。
〈“信仰の再定義”について、短いコラムを〉
彼は笑って、返信を書いた。
〈定義は、ここでは置かない。明日も“読み方”を置きます〉
画面を閉じ、部屋の電気を消す。
窓の外で、遠くの犬が一度だけ吠えた。
その後の沈黙が、やけに深かった。
深さに、恐れは混ざっていない。
呼吸を数える。
一、二、三。
呼吸の回数だけ、祈りはあるのだと、彼は今は信じてみることができた。
ベッドに身を沈める前、母のノートに指を置いた。
「神は、私を赦してくださるだろうか」
その問いに、彼は答えを書かなかった。
答えは言葉になると、たちまち薄くなる。
代わりに、ページの余白に小さく日付だけ記した。
日付は、祈りのしるしだ。
答えではなく、続きの印として。
灯りを消す。
沈黙が、部屋の形になじむ。
遠くの踏切が、二度鳴った。
彼は目を閉じた。
眠りに落ちる直前、母の声が確かに言った気がした。
――「それでいいのよ。明日も、同じように。」
(第七章につづく)

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